想いを大切にする。エピソード

想いを大切にする。エピソード

2017.9.13写真探しで再確認できた、家族の絆と父への感謝

お葬式とは、大切な方との悲しいお別れの式ではありますが、実は小さな小さなよろこびのシーンが生まれる瞬間があるのです。

 

それは、家族が紡ぐ心あたたまるストーリー。

 

大切な方との別れのひとときを温かい思い出として、残されたご遺族の心の中に生き続けてほしい。大の葬祭では、そんなお手伝いをさせていただいております。

 

 

恥ずかしがりやで職人気質のお父様が残した思い出写真

 

遺影写真_家族の思い出


特別暑い夏の日。急なご葬儀が入りました。

私たちはまず、故人の息子さんにご遺影用のお写真をご準備していただけるようお願いをしました。

 

すると息子さんから、

 

「父は写真が趣味で、僕たち家族の写真をたくさん撮ってくれました。きっといい写真が見つかると思います」

 

と、辛いお気持ちを抱えながらも、前向きに答えていただきました。

 

間もなくして、息子さんがお写真を持ってまいりました。しかしその表情はとても困惑しておりました。

 

そしてこうおっしゃいました。

 

「父親の写真だけがないんです」

 

そう言って、出していただいたのは、下を向いているお父様や横を向いているお顔。ご遺影用のお写真としてご使用するにはなかなか厳しいものでした。

 

息子さんにその旨をお伝えすると、

 

「あんなに写真が好きだった親父なのに、どうして1枚もないんだろう?」

 

不思議そうに呟いておられました。

 

そこで私は、

 

「まだもう少しお時間もございます。私も加勢しますからアルバムから探してみませんか?」

 

と、お伝えしました。息子さんは快諾していただき、たくさんのアルバムを持ってきていただきました。

 

家族、スタッフ総出で探した思い出の1枚

 

1冊ずつそのアルバムをめくりながら、ご遺族と私たちスタッフも参加してのお父様探しのはじまりです。

 

幼き頃の息子さんがバースデーケーキを前に、にっこり笑っている写真。

 

「俺、覚えてるよ。ロウソクの火をうまく消せなくて姉さんから消されてこのあと泣いたんだよな」

 

するとみんなの表情がフワッと明るくなり、クスクスと笑いが起こります。

 

アルバムをめくるたびに出てくるお写真には、家族のありふれた、でも温かい日常が写し出されていたのです。

 

「うちは商売をしていたから、なかなか家族で出かけることはできなかったけど、毎日ちょっとしたことにお父ちゃんはカメラを向けていたねぇ」

 

と、お母さまがしみじみとおっしゃりました。

 

そして、息子さんは気づいたのです。

 

「いつもカメラを持ち歩いて親父が撮っていたのは、俺たちばっかりだったから、自分のは一枚もないはずだわ」

 

私はその場で途方に暮れているご遺族に

 

「誰かに撮られたりすることはなかったですか?例えばお仕事をしているお姿のときとか…」

 

するとお母さまが急に思い出したかのように、2010年〜2011年と書かれたアルバムを取り出し、めくりはじめたのです。

 

するとしっかりカメラに目を向けた、生前のお父様が写っているではありませんか!

 

お父様は、和菓子職人でした。

 

遺影写真_家族の思い出2

 

職人気質の強い方だったので、あまり人前に出ることを得意としなかったそうですが、ほんの1度だけ雑誌の取材を受けたことがあったといいます。

 

「そのときに撮っていただいた写真をカメラマンさんのご好意でいただいたことがあったの。父さんにこっそり内緒で」

 

その写真のお父様は調理用の白衣という凛々しい出でたちの中にも、ちょっと照れたようなはにかんだ表情が見受けられました。

 

全会一致でこの写真をご遺影として使うことになったのは言うまでもありません。

 

 

ご遺影写真は、ずっとその方の面影として残る想い出です。ご遺族の方が突然の訃報で気を落とされている時、何をしていいか分からない時、私たちの「ご加勢します」という声掛けとサポートが安心や励みにつながると信じて、これからもご遺族の方々に寄り添っていきたいと考えております。

 

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text= 大の葬祭グループ